ごあいさつ
毎々格別のお引き立てにあずかり厚く御礼申し上げます。
弊店は、明治十年創業、初代・田村正一がせんべい屋としてのれんを掲げて以来、お菓子ひとすじに歩んでまいりました。
幸い、当地・讃岐は、豊穣な風土のもとに育った良質の サトウキビを材料に、「讃岐三盆白」として、古くより全国 に名高い砂糖がつくられており、お菓子づくりにはこの上 ない地でございます。
宗家くつわ堂では、さぬき特産の香気と口どけの良さをもつ特産糖の持味を生かし、 瓦せんべいをはじめ、くつわせんべいなど、さまざまなお菓子をひとつひとつ細やかな 心で創製し、慈しみ育んでまいりました。
宗家くつわ堂の歴史
創業明治十年
明治10年の5月ごろ、初代当主 田村正一により宗家くつわ堂は誕生しました。
江戸時代に幕府への献上品でもあった全国でも名高い讃岐の砂糖(讃岐和三盆、白下糖)と、讃岐うどんで知られる良質の小麦粉を使用したお菓子を作ったのが始まりです。
瓦せんべいの誕生
高松に駅ができ、宇野(岡山県)と高松の間の宇高連絡線が就航すると、高松は四国の玄関口として人がどんどん集まるだろうと予想しまして、土地の特産物を使った名物としてお買い上げいただけるようなお菓子を作ろうという発想から出来たのが「瓦せんべい」です。
瓦の形は玉藻城(高松城)の「そで瓦」を型どったものです。
「くつわ堂」の由来
創業家である田村家の家紋が薩摩藩と同じ「丸に十の字」で、これが馬の轡(くつわ)に似ているので屋号を「くつわ堂」とし、マークは家紋を変形させて四角形にしました。
このマークは今は商標登録されておりますが、初代の頃はマークもせんべいも商標を取っていませんでした。
真似をされても名物となるなら
初代当主 田村正一は、「良いものを作れば皆が真似をして同じものを作ってくれる、それが讃岐の名物として広まっていけばそれでよい」という考えでした。しかし二代目当主 専治のときにある人が、他の土地から来た人が知らずに悪いものを買って行って、これが讃岐の名物かと思われてしまってはいけないので、「くつわ堂」のマークだけでも商標登録したほうがよいと勧めてくれて、二代目が商標登録を行いました。
一枚一枚手焼き
瓦せんべいは大きさの大小にかかわらず鉄板の上で一枚一枚手焼きで焼いております。
以前に機械化が出来ないものかと機械を試作しましたが、焼き加減がうまくゆかず、改めて一枚ずつ丁寧に焼く手焼きの良さを認識しました。
瓦せんべいの斑(まだら)な焼き色は手で焼くために出来ているのですが、これがまた特徴のひとつになっています。
沿革
明治10年
初代 田村正一により創業
昭和19年
戦時企業整備令により閉鎖
20年
7月に空襲により全焼
23年
高松市兵庫町に店舗開設 営業再開
27年
株式会社に改組
33年
高松市西内町に製造工場建設
39年
高松市郷東町に製造工場移転
62年
高松市郷東町に西店開設(喫茶店併設)
平成5年
高松市郷東町に新西店開設
8年
高松市中央町に中央支店開設